心不全の診断・治療
心不全とは、心臓が排出する循環血液量が不十分などのために、全身が必要とするだけの血液、酸素や栄養などを保てない状態をいいます。
心不全の原因としては、高血圧性心疾患、重症の不整脈、加齢等による弁膜症、心筋梗塞などの虚血性心疾患、発症起因の不明な特発性心筋症などがあります。
心不全におちいると、手足の冷感やむくみ、全身の倦怠感、活動中の息切れ、夜間仰向け時の呼吸困難、意識レベルの低下などの症状が現れ、時に死に繋がることもあり、ときに循環器救急医療を必要とします。
診断・治療
心不全の自覚(自分で分かる)症状がまだ明らかでない場合、各種健康診査や人間ドックなどの際に、丁寧な心臓聴診(過剰心音や心雑音)と頚部の視触診(頸静脈の怒張・拍動)を含む身体診察の結果、心電図上の左室肥大や心筋虚血等の所見、深吸気(できるだけ大きく息を吸って止めた)時の胸部レントゲン正面写真上の心胸郭比(胸の横幅に対する心臓の大きさの割合)の増大(正常は50%以下)などにより、軽度から中等度の心不全が疑われて、当院のような循環器専門外来に紹介されて来院なさることは比較的多いです。
循環器専門医が行う心不全の診断として、心臓エコー検査等により心不全の原因解明と心臓の血液排出量を計測し、特別な血液生化学検査(BNP等の特殊なホルモンの血中濃度測定)などにより心不全の重症度の診断が行われます。
心不全の治療としては、まずできるだけ心不全の原因に対して、各種の薬物治療、カテーテル治療及び外科的な手術治療を駆使して行います。
それでも生命の維持が困難な場合には、植え込み型人工心臓や心臓移植などの適応となります。
当院では、院長が各地の心臓病センターで手術を行っていた22年間の経験や、その後の開院15年間の循環器専門医関連の学会参加等により得た最新・最良の心臓血管疾患治療の中から、自分自身や親族が同じ疾患の治療を受ける際と同じ施設に責任をもって紹介いたします。心不全に限らず、様々な心臓血管疾患のいろいろな質問等を診療時間内に随時お電話でご相談いただければ幸いです。