新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第十八報告(濃厚接触完全回避の具体策)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第十八報告(濃厚接触完全回避の具体策)
日頃の診療や電話相談中にほぼ毎日患者さんから受けるCOVID-19関連の質問に沿って、皆さんに正確にお伝えしたい情報について、最前線の臨床医の一人として、今後しばらく院長ブログのシリーズでお伝えしたいと思います。
質問18 : 現在国内の複数の地域で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第三波とも呼ばれる半数以上が感染経路不明の市中感染が続いていますが、現時点で個々人ができることには何がありますか?
解答の1例:今年度冬季のCOVID-19感染拡大・爆発による医療崩壊を食い止めるために、ここ数週間は日本国民の真価が問われる最重要な時期に入っていると思います。ここで更なる感染拡大を防ぐためには、これまで院長ブログのこのシリーズで示してきた接触、飛沫、エアロゾルの3つの感染経路の防止や食事中の感染伝播の予防に加えて、ある程度の経済活動を継続しながら、個々人ができる究極の濃厚接触完全回避の具体策としては、自分自身が症状の出ないCOVID-19模擬患者と仮定した上で少なくとも14日間は家族や大切な友人・仕事仲間などに絶対にCOVID-19をうつさない行動(濃厚接触の完全回避)をすることです。
濃厚接触者の一般的な定義としては、以下の医療情報に示されているような「発症の2日前から、1メートル以内を目安に、感染予防策なしで15分以上接触した人」とされています。これをさらに濃厚接触の完全回避とするには、「すべての期間で、同じ部屋(場所)で数メートル以内は、全員がきちんとマスクをしていても、対面接触や会話を15分以内に限ること」がとても重要です。もちろん短い時間でも、握手などの皮膚接触や口づけなどの粘膜接触は一切しないことが原則です。
以上のことを日本国民全員が2週間しっかり守ることができれば、これから1か月以内にCOVID-19が今春の緊急事態宣言解除後のようになる可能性もあり、この年末年始が例年に近い通常の生活に戻ることも夢ではありません。なにとぞ皆様のご理解・ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
関連する医療情報の要旨:国立感染症研究所は2020年4月20日、新型コロナウイルス感染者との「濃厚接触者」の定義について見直し、「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」を改訂しました。これはWHO(世界保健機関)の指針改訂を受けての対応となります。これまで濃厚接触者は、発病した日以降に接触した人とされていましたが、今回「発症の2日前から」に拡大されました。また、接触の内容についても、「2メートル以内を目安に、感染予防策なしで会話などをしていた人」から「1メートル以内を目安に、感染予防策なしで15分以上接触した人」に変更となりました。「患者(確定例)」の感染可能期間は下記となっています。「濃厚接触者」に関わる「患者(確定例)」の感染可能期間:発熱及び咳・呼吸困難などの急性の呼吸器症状を含めた新型コロナウイルス感染症を疑う症状を呈した 2日前から隔離開始までの間、とする。新型コロナウイルス感染症を疑う症状:発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐など。