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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第三報告(PCR検査偽陰性の場合)

[2020.05.31]

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第三報告(PCR検査偽陰性の場合)

 日頃の診療や電話相談中にほぼ毎日患者さんから受けるCOVID-19関連の質問に沿って、皆さんに正確にお伝えしたい情報について、最前線の臨床医の一人として、今後しばらく院長ブログのシリーズでお伝えしたいと思います。

質問3:様々な風邪症状があって、PCR検査を受ける前やPCRの検査結果が陰性だった場合はどうしたら良いですか?

解答の1例:PCR検査の精度がせいぜい7~8割であることを考慮すると、当院ホームページに示したようなCOVID-19患者さんに認められた様々な風邪症状がある場合は、自宅療養するCOVID-19軽症患者さんに準じた経過観察を、少なくとも発症後10日間は継続すべきと思われます。

 現在当院では、通院中のかかりつけ患者さんに風邪症状を認めた場合は、発熱や頭痛などには医療用解熱鎮痛剤カロナール(単独アセトアミノフェン)を患者さんの体重に合わせて処方しています(同薬剤のアレルギーや肝機能障害などのある方を除きます)。この内服薬の作用は優しいため、熱を下げすぎないで自己免疫力を保つ利点があります。なお単独アセトアミノフェン製剤には市販薬もあるため、薬剤師さん在中の一般薬局でも購入できます。

 その他の症状のうち、乾性咳嗽(乾いたせき)や倦怠感など続く患者さんには、呼吸音などの身体診察とパルスオキシメーターで血中酸素飽和度の有意な低下がないことを確認したうえで、鎮咳作用と気管支拡張作用を兼ね備えた医療用ロイコトリエン受容体拮抗薬モンテルカスト錠などを処方しています(同薬剤のアレルギーや肝機能障害などのある方を除きます)。それでも咳が続く場合はマイコプラズマや結核など他の感染症の対処をします。

 以上のほか、たんを伴う湿性咳嗽や消化器症状などは、ウイルス以外細菌などの感染症を併発している場合もあり、必要に応じて抗菌薬などを併用しています。

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