新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第九報告(熱中症対策との切り替え・併用の調整)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第九報告(熱中症対策との切り替え・併用の調整)
日頃の診療や電話相談中にほぼ毎日患者さんから受けるCOVID-19関連の質問に沿って、皆さんに正確にお伝えしたい情報について、最前線の臨床医の一人として、今後しばらく院長ブログのシリーズでお伝えしたいと思います。
質問9 :水分をこまめにとるなどの熱中症対策が必要な夏の期間に、マスクをするなどの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策との切り替えや併用について、現時点で個々人が注意すべきことには何がありますか?
解答の1例 : 高齢者や持病のある方などのように熱中症をおこしやすく、しかもCOVID-19にかかると重症化しやすい人々には以下のような両方の対策を厳密に切り替え・併用することはとても大切です。その他の子供たちや若年・中年層も個々人の生活環境等に応じて、両疾患の対策のどちらをどんな場面で大事にするかをよく考えて上手に切り替え・併用するべきと思われます。
まず高齢者や持病のある方などについては、一人暮らし等で比較的他の方々と接する機会が少ない場合は、日中の滞在場所はしっかり冷房・空調等を効かせてこまめに水分を取りながらバランスの良い食事をするなどの熱中症対策に重点をおくべきです。その上で買い物などで外出する場合は、午前10時から午後4までの気温の高い日中を避けて、それでも暑い野外はマスクをしないで、小さな水筒やペットボトルなどを持ち歩いてこまめに水分をとりながら、スーパーやコンビニ内の冷房の効いている屋内だけはマスクをつけて、他の人々とできるだけ距離をとりながら、あらかじめ買うものをメモしておくなどにより短時間の滞在とすべきです。
次に子供たちは、いろいろな活動中に興味のあることに夢中になると、ついつい友達と一緒に騒いだり、こまめに水分を取るのを忘れたりしがちですから、周りの大人たちが滞在している環境や何人くらいの集団で活動しているのかに応じて、マスク・手洗いや水分摂取などについて注意してあげるべきです。
最後に若年・中年層は、通勤中や仕事などで人と近づくのは、できるだけ気温のコントロールされている場所でお互いマスクをしっかりして短時間とし、できれば15~20分毎に1~2口水分をとる(多すぎて胃酸が薄まるのも注意する)べきです。
加えてこのシリーズの第七報告で記載したように、どの年代でも食事中のCOVID-19の感染伝播に注意するとともに、食事する場所の換気と冷房・空調のバランスについても留意すべきです。
なお、一人一人の日常生活や旅行中のことなどで何か気になることがある方は、当院の診療時間内の午前または午後の最後30分は、さまざまな特別個別診療しながら、いろいろな電話相談の時間としていますので、どうぞご利用ください。