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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十八報告(各種新型コロナワクチン接種の安全な選択と適応)

[2021.04.04]

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十八報告(各種新型コロナワクチン接種の安全な選択と適応)

 日頃の診療や電話相談中にほぼ毎日患者さんから受けるCOVID-19関連の質問に沿って、皆さんに正確にお伝えしたい情報について、最前線の臨床医の一人として、今後しばらく院長ブログのシリーズでお伝えしたいと思います。

質問28 : 現在世界中で接種がすすめられている各種新型コロナワクチンのうちで、アストラゼネカ社製は最近接種後の血栓症発症リスクからドイツやカナダなどで中年以下の接種制限がされたり、ファイザー社製は国内外での接種後の出血性合併症が報告されたりしている現時点で、個々人ができることには何がありますか?

解答の1例:我が国では現在ファイザー社製新型コロナワクチン接種が医療従事者に先行接種され、来週4月12日から65歳(今年度中)以上の高齢者への接種が始まり、来月5月中にアストラゼネカ社製、モデルナ社製が続けて承認されて、基礎疾患がある方々などへの接種がすすめられ、今秋季までに全国民(希望者)に接種される予定です。

 前述のような各種新型コロナワクチン接種後の特徴(傾向)を考慮して、たとえばコントロール不十分な高血圧症、脳出血の既往や家族歴など出血性リスクの高い方々は、ファイザー社製以外の接種が始まるまで待機するとか、脂質異常症、糖尿病、脳梗塞や心筋梗塞の既往や家族歴など血栓性リスクの高い方々は、アストラゼネカ社製以外の接種を受けるとする等の安全な選択と適応を行うことにより、新型コロナワクチンが不足し接種が遅れている日本国内でも一人一人にできる限り安全に接種をすすめることができ、最終的に副反応や合併症の発症を最小限することにとても役立つと思われます。

 すなわち、ワクチン接種後の出血や血栓症などの循環器救急医療を要する状態を起こさないためには、ワクチン接種前に循環器系の精密検査(血液凝固系を含む)を受けた上で、「かかりつけ医」と相談しながら、個々人の状態に合わせて安全で具体的なワクチン接種の方法や接種場所の予定を確認しておくことはとても重要です。

 「かかりつけ医」がいないなどでお困りの方は、当院の診療時間内の午前または午後の最後30分は、さまざまな特別個別診療しながら、いろいろな電話相談の時間としていますので、どうぞご利用ください。

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