メニュー

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十五報告(ワクチン接種前の循環器系精査の有用性)

[2021.03.03]

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十五報告(ワクチン接種前の循環器系精査の有用性)

 日頃の診療中や電話相談中にほぼ毎日患者さんから受けるCOVID-19関連の質問に沿って、皆さんに正確にお伝えしたい情報について、最前線の臨床医の一人として、今後しばらく院長ブログのシリーズでお伝えしたいと思います。

質問25 : 先月中旬から開始された新型コロナワクチン接種後の国内初めての死亡例が報告されましたが、本ワクチン接種を安全に受けるために現時点で個々人がワクチン接種前にできることには何がありますか?

解答の1例:厚生労働省からの報告によれば、今回の61歳女性1例の死因はくも膜下出血ということで、新型コロナワクチン接種との関連性は調査・検討中とのことです(ちなみに3月25日までの77万5122例中の死亡2例目も脳出血・くも膜下出血の26歳女性でした)が、以下のような関連する医療情報をよく理解した上で、1) アナフィラキシーなどのように本ワクチンが体内を巡っために起こる反応と、2) 局所の痛みなどのワクチン接種時の反応を分けて調べることはとても大切です。

 すなわち、2)としてのワクチン接種時の痛みや不安などによる血圧の変動による循環器救急医療を要する状態を起こさないためには、ワクチン接種前に循環器系の精密検査(血液凝固系を含む)等を受けた上で、「かかりつけ医」と相談しながら、個々人の状態に合わせて安全で具体的なワクチン接種の方法や接種場所の予定を確認しておくことはとても重要です。

 「かかりつけ医」がいないなどでお困りの方は、当院の診療時間内の午前または午後の最後30分は、さまざまな特別個別診療しながら、いろいろな電話相談の時間としていますので、どうぞご利用ください。

関連する医療情報:脳出血の一つ「くも膜下出血」は、発症すると死亡率が約50%と非常に高く、とても怖い病気です。処置が遅れると再出血の危険性もあり、また後遺障害などのリスクもあります。一般にくも膜下出血は、なんの前ぶれもなく、ある日突然起こると思われていますが、最近の調査・研究から、くも膜下出血には特徴的な前兆ともいえる症状がいくつかあることが分かっています。また、くも膜下出血は、中年期以降は誰にでも起こりうる病気だといえます。病気の特徴や、どんな人に起こりやすいのか、何をしておけばよいのかをきちんと知って対策をしておくことが重要です。今回説明するくも膜下出血の「症状」「前兆」、「原因」「リスク」を知って、正しい対策を行うきっかけとしてください。

 くも膜下出血が起こったときの典型的な症状は、「激しい頭痛」「意識障害」「嘔吐」などです。では、前兆の症状とは、どういうものでしょうか。主に下記の5つの症状をチェックしましょう。 1) 血圧が激しく上昇・下降する 2) 急な頭痛(頭痛はそれほど強くない場合もある) 3) 視力低下、めまい 4) 吐き気や嘔吐 5) 意識低下や頭の違和感(モヤモヤしたりボーとする)

 くも膜下出血はくも膜下にはり巡らされた脳栄養血管の一部が切れる事により起こります。そのほとんどは脳動脈瘤が原因とされていて、くも膜下出血を発症した日本人の約90%は脳動脈瘤の破裂から発症するとされています。では、脳ドックなどMRI検査で脳動脈瘤が見つかった場合は、何に注意をすればよいのでしょうか。主に下記の3つのリスクに注意しましょう。 1) 高血圧 2) 喫煙 3) 家族歴

関連する米国内の報告 : 米国で新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種後、口の中での過多出血が発生し死亡した事例が報告された。2021年2月9日(現地時間)ニューヨークタイムズ(NYT)によると、米マイアミの在住者(56歳)はワクチン接種後 口の中で出血が発生し入院したが、その2週間後 脳出血で死亡した。 現在まで 米国のワクチン副反応申告システム(VAERS)に報告された事例は、36件に達している。接種後1日から3日が過ぎて出血症状が表れたという。 これは モデルナ社ワクチン、ファイザー社ワクチンでも同様に表れている症状である。しかし はっきりとした原因はわからないままである。

 米連邦保健当局は、ファイザー社とドイツの ビオンテックが開発した新型コロナウイルス感染症(COVID19)ワクチンの1回目の接種を受けた医療従事者が16日後に死亡した事例を調査している。死亡したのはフロリダ州在住の医師で、希少疾患である重度の血小板減少症を発症した。この病気は血液を凝固し内出血を止める体の能力を低下させる。ファイザーは死亡例がワクチンとの因果関係を示唆しないとの最初の結論を報告した際に、自社の臨床試験結果や米国での使用許可後に集まったデータを引用した。一方、米疾病対策センター(CDC)は今回の死亡例を承知しており、「より多くの情報が入手できるようになれば状況を精査する」と説明した。ファイザーは発表文で「これまでにワクチンが数百万人に接種され、われわれは接種を受けた個人に生じたあらゆる有害事象を入念に観察している」とした上で、「残念ながら、ワクチンとは無関係の死亡を含め重大な有害事象が母集団において同様の比率で起きる可能性が高いことに留意することが重要だ」とした。この医師の死亡については米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じた。同紙によれば、医師(56)は脳出血で死亡したと妻が2021年1月5日にフェイスブックに 投稿していた。

HOME

最新の記事

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第三十一報告(新型コロナワクチン接種後心筋炎への対応)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第三十報告(インド型等強変異種への対策徹底の必要性)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十九報告(新型コロナワクチン接種における基礎疾患の有無確認の重要性)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十八報告(各種新型コロナワクチン接種の安全な選択と適応)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十七報告(新型コロナ変異種から小児を守る方法)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十六報告(ワクチン接種時の逆血なし確認の有用性)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十五報告(ワクチン接種前の循環器系精査の有用性)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十四報告(アレルギー性疾患診療との併用)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十三報告(ワクチン接種とかかりつけ医の役割)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して現在分かっていることと一人一人ができる対策:第二十二報告(変異種に対する具体策)

ブログカレンダー

2024年4月
« 6月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME